夏の俳句集-小学生の自主学習用資料

2015年6月4日

自主学習に使える夏の俳句

このページには、夏の俳句を集めました。小学生の自主学習で、書き写しや音読に利用していただける俳句集です。

小学校の教科書等でよく取り上げられる作者の作品の中から、小学生でも意味をイメージしやすそうなものを選びました。

難しい漢字も多いですが、読み方も並べて書きましたので、習っていない漢字はひらがなで書くなど、それぞれ調整してご利用下さい。

俳句に関する記事はほかにもいろいろあります。家庭学習のヒントにしていただけたらと思います。

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夏の俳句

作者別に、夏の俳句を紹介します。

松尾芭蕉

与謝蕪村

小林一茶

正岡子規

高浜虚子

その他

松尾芭蕉の夏の俳句

松尾芭蕉(まつお ばしょう)

夏の夜や木魂に明くる下駄の音
(なつのよや こだまにあくる げたのおと)
季語「夏の夜」

手をうてば木魂に明くる夏の月
(てをうてば こだまにあくる なつのつき)
季語「夏の月」

ほととぎす消え行く方や島一つ
(ほととぎす きえゆくかたや しまひとつ)
季語「ほととぎす」

麦の穂を便りにつかむ別れかな
(むぎのほを たよりにつかむ わかれかな)
季語「麦の穂」

六月や峰に雲置くあらし山
(ろくがつや みねにくもおく あらしやま)
季語「六月」

五月雨をあつめて早し最上川
(さみだれを あつめてはやし もがみがわ)
季語「五月雨」

五月雨の空吹きおとせ大井川
(さみだれの そらふきおとせ おおいがわ)
季語「五月雨」

閑さや岩にしみ入る蝉の声
(しずかさや いわにしみいる せみのこえ)
季語「蝉」

与謝蕪村の夏の俳句

与謝蕪村(よさ ぶそん)

涼しさや鐘をはなるるかねの声
(すずしさや かねをはなるる かねのこえ)
季語「涼し」

みじか夜や毛虫の上に露の玉
(みじかよや けむしのうえに つゆのたま)
季語「みじか夜」

夕風や水青鷺のはぎをうつ
(ゆうかぜや みずあおさぎの はぎをうつ)
季語「青鷺」

不二ひとつうづみ残してわかばかな
(ふじひとつ うずみのこして わかばかな)
季語「わかば」

花いばら故郷の路に似たるかな
(はないばら こきょうのみちに にたるかな)
季語「花いばら」

麦刈りて遠山見せよ窓の前
(むぎかりて とおやまみせよ まどのまえ)
季語「麦刈り」

さみだれや大河を前に家二軒
(さみだれや たいがをまえに いえにけん)
季語「さみだれ」

蓮の香や水をはなるる茎二寸
(はすのかや みずをはなるる くきにすん)
季語「蓮」

小林一茶の夏の俳句

小林一茶(こばやし いっさ)

しづかさや湖水の底の雲のみね
(しずかさや こすいのそこの くものみね)
季語「雲のみね」

雲を吐く口つきしたりひきがえる
(くもをはく くちつきしたり ひきがえる)
季語「ひきがえる」

やれ打つな蠅が手をすり足をする
(やれうつな はえがてをすり あしをする)
季語「はえ」

五月雨や胸につかえる秩父山
(さみだれや むねにつかえる ちちぶやま)
季語「五月雨」

大蛍ゆらりゆらりと通りけり
(おおぼたる ゆらりゆらりと とおりけり)
季語「大蛍」

蝉鳴くや天にひっつく筑摩川
(せみなくや そらにひっつく ちくまがわ)
季語「蝉」

正岡子規の夏の俳句

正岡子規(まさおか しき)

四時に烏五時に雀夏の夜は明けぬ
(よじにからす ごじにすずめなつの よはあけぬ)
季語「夏の夜」

一群の鮎眼を過ぎぬ水の色
(いちぐんの あゆめをすぎぬ みずのいろ)
季語「鮎」

夕風や白薔薇の花皆動く
(ゆうかぜや しろばらのはな みなうごく)
季語「白薔薇」

芥子咲いてその日の風に散りにけり
(けしさいて そのひのかぜに ちりにけり)
季語「芥子」

六月を奇麗な風の吹くことよ
(ろくがつを きれいなかぜの ふくことよ)
季語「六月」

五月雨や上野の山も見飽きたり
(さみだれや うえののやまも みあきたり)
季語「五月雨」

高浜虚子の夏の俳句

高浜虚子(たかはま きょし)

涼しさや熱き茶を飲み下したる
(すずしさや あつきちゃをのみ くだしたる)
季語「涼し」

湖を断つ夏木の幹のただ太し
(うみをたつ なつきのみきの ただふとし)
季語「夏木」

夏の蝶眼鋭く駆けり来し
(なつのちょう まなこするどく かけりこし)
季語「夏の蝶」

出て遊ぶ蜥蜴に日蔭なかりけり
(でてあそぶ とかげにひかげ なかりけり)
季語「蜥蜴」

芍薬の花にふれたるかたさかな
(しゃくやくの はなにふれたる かたさかな)
季語「芍薬」

杜若切ればしたたる水や空
(かきつばた きればしたたる みずやそら)
季語「杜若」

炎天の地上花あり百日紅
(えんてんの ちじょうはなあり さるすべり)
季語「炎天」

炎天にすこし生まれし日かげかな
(えんてんに すこしうまれし ひかげかな)
季語「炎天」

その他作者の夏の俳句

上記以外の作者の夏の俳句です。

山口素堂(やまぐち すどう)

目には青葉山ほととぎすはつ鰹
(めにはあおば やまほととぎす はつがつお)
季語「はつ鰹」

種田山頭火(たねだ さんとうか)

ほうたるほうたるなんでもないよ
季語「ほうたる」

※ほうたる=蛍

炎天のはてもなく蟻の行列
(えんてんの はてもなくありの ぎょうれつ)
季語「炎天」

室生犀星(むろう さいせい)

わらんべの洟もわかばを映しけり
(わらんべの はなもわかばを うつしけり)
季語「わかば」

青梅の臀うつくしくそろいけり
(あおうめの しりうつくしく そろいけり)
季語「青梅」

久保田万太郎(くぼた まんたろう)

何か世のはかなき夏のひかりかな
(なにかよの はかなきなつの ひかりかな)
季語「夏」

短夜のあけゆく水の匂いかな
(みじかよの あけゆくみずの においかな)
季語「短夜」

芍薬の一ト夜のつぼみほぐれけり
(しゃくやくの ひとよのつぼみ ほぐれけり)
季語「芍薬」

手すりまで来ては消ゆるや梅雨の雲
(てすりまで きてはきゆるや つゆのくも)
季語「梅雨」

こいのぼり牡丹ばたけに遠きかな
(こいのぼり ぼたんばたけに とおきかな)
季語「こいのぼり」

夕焼けも海の匂いも消えしとき
(ゆうやけも うみのにおいも きえしとき)
季語「夕焼け」

日の落ちしあとのあかるき青田かな
(ひのおちし あとのあかるき あおたかな)
季語「青田」

芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ)

庭土に皐月の蠅の親しさよ
(にわつちに さつきのはえの したしさよ)
季語「蠅」

兎も片耳垂るる大暑かな
(うさぎも かたみみたるる たいしょかな)
季語「大暑」

この資料について

著作権が消滅した作品だけを集めて掲載しています。

現代かなづかいに表記をあらためているものがあります。常用漢字程度の漢字は使っていますが、小学生の自主学習用として、読み方、書き方が難しいと思われる漢字はひらがなで書いているものもあります。

表記について、厳密なルールに従って作成してはいません。小学生の自主学習用資料としてお使い下さい。