デジタルノートは紙のノートより勉強しやすい?
このページではデジタルノートとは何かを解説し、そのメリットとデメリットについて書きます。
また「勉強」という用途でデジタルノートと紙のノートを比較して使いやすいのはどっちかについても考えています。
デジタルノートはとても便利で勉強に役立つものですが、今のところ私は中学生以上の方におすすめとしたいと考えています。
なぜ小学生の方にはおすすめしないのか。その理由についても書いていますのでぜひ最後までお読みください。
デジタルノートとは
デジタルノートは、PCやタブレット、スマートフォン等で利用できるノートです。
ノートアプリ、デジタルノートアプリ、デジタルノートブック等とも呼びます。
デジタルノートではこんなことができます。
- キーボードで文章を入力する
- 画像を挿入する
- タッチペンで絵や図、文字を描く
音声で入力することができたり、動画が挿入できたりといった機能をもつデジタルノートもあります。
デジタルノートの用途
デジタルノートはこんなことに使います。
- 授業や講義のノートを取る
- 問題を解く、まとめノートを作る等勉強に使う
- 日記をつける
- マニュアルを作る
- テーマを決めて記事や画像を集める
- 読書記録をつける
- レシピノートを作る
- ネタ帳
- マインドマップを作る
- 好きなことをまとめたノートを作る
- らくがき帳、スケッチブックとして使う
等々…デジタルノートの使い道はさまざまです。
さまざまなノート・手帳アプリ
有名なノートアプリには次のようなものがあります。
- OneNote
- Google Keep
- Notion
- Evernote
- Milanote
- Dropbox Paper
- Goodnotes
他にも、シンプルな機能のメモアプリ、スケジュール帳アプリにノート機能がついているものなどがあります。
デジタルノートのメリットとデメリット
紙のノートと比較したときの、デジタルノートのメリットとデメリットには次のようなものがあります。
メリット
- 編集しやすい(削除・挿入・コピペなど)
- かさばらない
- PCとスマホやタブレット等で同期して使える
- 検索ができる
- ハイパーリンクをはることができる
- ノートを分類して保存できる
- 簡単に複製できる
- 簡単に共有できる
手書きのノートではできないことがいろいろできます。こういった機能を使い慣れると手書きには戻れなくなります。
デメリット
- 端末がないと使えない(バッテリーが切れると使えない)
- 同期や保存にインターネットが必要になるものがある
- 料金がかかるアプリもある
- 使用に慣れが必要
- キーボード入力やマウス操作の際に出る音が周囲に迷惑となる場合がある
- タッチペンによる手書き入力に対応していないアプリは数式の入力が困難
当然ですが端末とバッテリーがないと使えません。同期やクラウドへの保存にインターネットを使うことがあります。
デジタルノートOneNote
私が今メインで使っているデジタルノートはOneNote(ワンノート)です。
OneNote(ワンノート)はMicrosoft社が開発・提供しているデジタルノートアプリです。
とても気に入っていて、勉強用ノートとしてはこれが最適ではないかと今のところ思っています。
OneNoteをPCとペンタブレットで使用しています。
iPadとスマホにもOneNoteを入れて同期させています。
スマホで写真を撮ってすぐにPCのOneNoteに表示させることができるのがとても便利。
OneNoteでできること
- キーボードで文章を入力する
- 手書きの文字をデジタルに変換する
- 手書きの数式をデジタルに変換する
- 図形を描く
- タッチペンで文字や図、絵をかく
- 画像を挿入する
- PDFファイルを挿入する
- スクリーンショットを撮って貼りつける
- 動画を挿入する
- 音声で文字入力する
- テキストを音声で読み上げさせる
- 表を作る
- ノートを階層的に分類する
- ノートの内容を検索する
- PC、スマホ、タブレット等複数の端末で同期して使う
- ノートブックを共有できる
勉強に必要な機能はすべてそろっています。
勉強に必要な機能
仕事で人が見てわかりやすいように資料を作るのと、勉強のためにノートに書くのとでは用途がちがいます。
デジタルノートを勉強に使うにあたって絶対に必要な機能というのがいくつかあります。
絶対に必要な機能
これがないデジタルノートアプリは勉強には向いていません。
- 手書き入力機能が優れていること
- 図や様々な記号を手書きでストレスなく描けること
- 文字色の変更、下線やマーカーを引くことが簡単にできること
なぜ手書き入力が絶対に必要かということは、数学の勉強を思い浮かべるとすぐにわかっていただけると思います。
筆算、累乗やルート、分数、様々な数学の記号……
こういったものをキーボードで入力しながら数学の勉強をするというのは現実的ではありません。数学の教材を作ったり、レポートの清書をするといった時は別ですが、数学の勉強をする際には、手書きで素早く数字や記号、図をかきながら問題を解いていくことが必要です。
数学や理科の勉強をするために優れた手書き入力機能があるかどうかが、勉強をするためのデジタルノート選びではとても重要です。
仕事の資料を手書きの文字や図で作ることはほとんどありませんが、勉強には「すばやく自分が見てわかるように手書きすること」が必要なんです。
紙のノートに手書きするのと同じかそれ以上の書きやすさ、見やすさが必要です。手書き入力機能が優れたアプリを使い、PCとペンタブレット、iPadとAppleペンシル等の組み合わせで書きます。
またノートを取る時は、部分的に文字の色や大きさを変えたり、マーカーを引いたりすることが多いですが、そういったことがキーボード入力でも手書き入力でもストレスなく簡単にできることが勉強用ノートには必要です。
あると便利な機能
- PDFファイルを挿入できる
- 表を作れる
- スクリーンショットや画像を挿入できる
- スマホ、タブレット、PCと端末どうしで同期できる
- 手書きで書いた文字や数式をデジタル化できる
- ノートやページを分かりやすく分類整理できる
- ノート内の文字列を検索できる
OneNoteにはこういった機能は全部入っています。
特にPDFや表計算のファイル、画像等を簡単に取りこんで表示させることができる点が便利です。
紙の資料をスマホで撮影してワンノートに取り込み、PCで書き込みを加える…といったことがストレスなくできます。
OneNoteは、ノートブックをいくつでも作ることができます。
ノートブック>セクション>ページと入れ子式にノートを整理することができます。ページも親>子>孫という構造を作って整理できます。
OneNoteでの勉強方法
また別の記事で詳しく書きますが、OneNoteでの勉強の仕方の例を少しあげます。
PDFやが画像で配布されている問題集をダウンロードしたり問題集のページを撮影したりしてワンノートに取り込み、書き込みする…というのが基本的な勉強方法の一つになるでしょう。
※問題集の部分にはモザイクをかけています。
読み込んだ画像の上から式や答えを書き込み、赤で〇つけをしています。横のスペースにまちがえた問題の解きなおしをしています。
紙の問題集だと一度書き込みをしてしまうと、もう一度問題を解きたい時に消しゴムで消す等する必要がありますが、撮影した問題をコピーするだけで何回でも問題を解けます。範囲選択をして書き込みを簡単にきれいに消すこともできます。
暗記シート
覚えたいことをまとめて赤シートで暗記する勉強もできます。
赤シートの画像を作ってOneNoteに読み込み、赤い文字をかくしています。
赤シートもいくらでもコピペできます。もう「赤シートをなくした」と探し回る必要はありません。
解の公式のような複雑な数式はタッチペンで手書きしてから「数式に変換」という機能を使ってデジタルに変換しています。
白地図
白地図に書きこみする学習も簡単にできます。
画像をOneNoteに取り込んで、その上から書き込みをしています。
ここではタッチペンで手書き入力していますが、OneNoteはキーボードでもノートのどこでも好きな場所にテキストや図形を入力できます。こういう地図に文字を書きこむのもストレスなくできるんです。
昔は白地図の画像を探してダウンロードし、印刷して切ってノートに貼って…ってすごい手間でしたよね。
白地図の学習はくり返しやった方がいいと思って、私は自分で日本地図の画像を作ってシール台紙に印刷したり日本地図のシートを作ったりしてました。
もうこんな手間ひまをかける必要もないんですね。
OneNoteにない機能
他のノートアプリではできるのにOneNoteでできないことはあまりないと思うんですが、どうでしょう…
Notionのようなデータベースを作ることはできません。ノートアプリをどれにしようか迷っている方はNotionも一度は試してみることをおすすめします。すごくおもしろいアプリだと思います。
AIに文章を書かせることもOneNoteは今のところできません。これはそのうち実装されそうな気がします。
オシャレさみたいなものはないです。officeソフトっぽい。
縦書きにはOneNoteは対応していません。ただしWordと連携させることによって縦書きの文章を挿入することができます。
ごく簡単な表を作ることができます。Excelと連携させて高度な表を挿入することもできます。
office製品と連携させることで大抵のことはできると思います。
進化したデジタルノート
以前は、デジタルノートも紙のノートも一長一短だと思っていました。
紙のノートの方が勉強しやすい(あるいはデジタルノートでは勉強しにくい)と思える点もたくさんあったんです。
でも今は、手書き入力機能が優れたデジタルノートアプリと、デジタルペンを使うことによって、紙のノートでなければいけない理由がほとんど見当たらなくなっていると感じます。
手書きならではの味があるとか、紙の手触りとかノートのデザインとか…そういう魅力はたしかに捨てがたいものがあります。しかし実用品としてデジタルノートは便利すぎます。
逆に紙のノートではできなくてデジタルノートならできることは多く、使い始めたらもう紙のノートには戻れなくなる可能性が大です。
小学生にデジタルノートは?
デジタルノートを使うと、効率的に勉強ができます。紙のノート以上だと思いますし、これからますます便利に進化していくでしょう。
それでも私は小学生の方にはデジタルノートを強くおすすめしません。
「便利すぎるから」というのがその理由です。
デジタルノートでの学習に慣れてしまうと、紙のノートに手書きする勉強がめんどくさく感じるようになります。
小学校でもタブレットやパソコンで学習するようになってきましたが、授業やさまざまな活動、テスト等で紙にえんぴつで手書きすることがまだまだあると思います。
デジタルノートを使い慣れてしまうと、えんぴつをにぎって文字を書き、消しゴムで消したり、定規やコンパスを使って図形を描いたりすることが面倒くさく思えるようになってしまいかねないのです。
そのうち学校でも宿題もテストもすべてデジタルになるかもしれませんが、そうなるまでの間は、紙に手で文字や図をかく学習もやっていた方がいいんじゃないかと思っています。すぐにそうなるのかもしれませんが…
もう一点、小学生にデジタルノートをおすすめしない理由は…
デジタルノートには計算を自動でやってくれる機能があります。AIがあらゆる質問に答えたり、文章を書いたりしてくれる機能を持ったデジタルノートもあります。
デジタルノートを使うためのパソコンやタブレット、スマホがあれば、ネット検索して宿題の答えを探すことも簡単にできるでしょう。インターネットによる調べ物に使う端末から、ゲームや動画といった遊びの要素を切り離すのはとてもとてもむずかしいです。
勉強をすることの意味を理解し、自分で学ぼうとする気持ちがないと、デジタルノートに限らずどんなデジタルツールも勉強の妨げになりかねません。
学びたい人にとっては強力なツール
目標ができて、しっかり学びたいという意志を持った人にとっては、デジタルノートは強力な武器になります。
次回はデジタルノートの使い方について書いていきたいと思います。
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