どうして漢字を勉強しなきゃいけないの?と子供に聞かれたら
漢字を勉強することに嫌気がさした子供が、こんなことを言う時があります。
「こんな漢字大人になってからも絶対に使わない」
「漢字で書かなくても、ひらがなで書けばいいじゃん」
「ぼくは大きくなったら英語で暮らしていくから、漢字は必要ない」
色々と、漢字を勉強しなくてもいい理由を思いついては、ごねるのが小学生ですね(^-^;
「どうして、漢字を勉強しなきゃいけないの?」
そう子供に聞かれて、どう答えたらいいか悩んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。
このページでは私なりに考えた、そう聞かれた時の答えを書いてみたいと思います。
大人はあまり漢字を書かない?
今は、紙に手書きで文字を書くこと自体、少なくなっています。
大人になると、パソコンやスマホの漢字変換、オートコンプリート機能などを使うようになるので、漢字の書き方や筆順をあまり正確に覚えていなくても、日常生活を送り、会社などに勤めて社会人として暮らしていくのに、あまり不自由を感じることはなくなってきています。
だから、漢字の勉強を頑張るのはバカバカしい?
本当はそんなに必死になって、漢字を覚える必要なんてないんじゃない? それは生活に必要なスキルとして身につけるべきものではなく、ただの「勉強のための勉強」になっているんじゃない?
そんな風に実は思っている大人の方もいるかもしれません。
漢字の力は国語の力
以前の記事にも書いたように、漢字を学習することは、単に漢字を読み書きする力だけではなく、言葉や文を扱う力、国語の力を高めることにつながるのです。
漢字の学習は、漢字を個々に読み書きできるようになることだけが目的ではありません。熟語、漢字が含まれる言い回し、対義語、類義語、文脈の中での漢字の使われ方……
漢字だけを学ぶのではないのです。漢字を学ぶことが、国語に、そして日本語で学ぶ他のすべての教科に、つながっていきます。
このことだけをみても、漢字を勉強しなくたっていい、とはとても言えないですね。
学力の背景にあるもの
- 中学受験
- 高校受験
- 大学受験
- 入社試験…等々
子供たちがこれから挑む、人生の大きな岐路となる試験。合格するためには、漢字の学習も欠かせません。
大学受験や、社会人の試験では、漢字テストという形ばかりではなく、小論文という形で、漢字を含め言葉を正しく使う力が試される機会も多いでしょう。
漢字だけとは限らず「学力」が示すのは、その人の暗記力、知識、机に向かった時間の長さだけではないのです。課題に向かって前向きに努力を続けられる、「心の力」をも示すのではないでしょうか。
私は、中学受験、高校受験、そして大学受験や入社試験では、学力の背景にある、そういった心の力が評価されるのではないかと思っています。
漢字の勉強を頑張れる人は、他の勉強もきっと頑張れます。
勉強を頑張れる人は、生活や仕事でも、難しい課題にぶつかった時に対処方法を考え、乗り越えようとする行動を起こせるはず。
私はそう思います。
漢字を覚えるのは楽じゃない
難しいから、大変だから、苦手だから、やらない。そうしてしまえば、その時はとても楽に決まっています。
漢字の学習は、楽ではありません。
何度書いても、なかなか覚えられない漢字に悩まされたり、テストで間違えて悔しい思いをすることもあるでしょう。自分より成績のいい子に劣等感を抱くこともあるかもしれません。
生まれつき、勉強に向いている性格や能力を持っているお子さんというのも、いるものです。
同じ土俵に上がったら負ける、というわけか、がんばってもどうせ負けるんだったら、始めからがんばらない方がいい、なんて戦意喪失してしまう気持ちもわからなくはないです。でも、
できる人はいっぱいいる。でも自分は自分。
どこかでそう切り替えて自分なりの努力ができる人になっていってほしいのです。
苦手でも、なかなか覚えられなくてつらくても、漢字の勉強を続けるというのは、とても立派な、かっこいいことですよね。
そして、どんなお子さんにも、かっこよく生きたいという気持ちがあるはずです。
「どうして漢字を勉強しなきゃいけないの?」に答えるなら
「漢字の勉強をがんばるって、とてもかっこいいことだよ」
色々ゴチャゴチャ言っても、左から右へ…かもしれませんので、サラッとそう言ってみるのはどうでしょうか。
「なぜママがそう思うかっていったらね…クドクド、クドクド…」、と、理屈で納得させたくなる気持ちがわきますけれど、そこはこらえて、理由は言わない。
「ん?ママなんか変なこと言ってるぞ」
って、けげんな顔をされるかもしれませんが、案外心のどこかに残って、漢字を勉強しようとする時に、ふと思い出してくれるかもしれません。
そしてとにかく親の方が、「本当は漢字なんか勉強しなくたって、将来困らないけど、受験のために必要だからやらせなきゃ」なんて口に出すことがないように。できれば、心の中でも、そんな風に思わないでいられたらいいです。
漢字の学習を頑張れる子はすばらしい!
ママがそう心の底から思っていたら、子供にはきっと伝わるんじゃないかなと思います。