自主学習ノート作りの目的【何のためにやるのか】
宿題として「家庭学習ノート」「自主学習ノート」作りに取り組んでいる小学生がたくさんいます。
毎日1~2ページ、自分で決めてノートに勉強をする、というこの宿題を、すごく苦手と感じている方もいるかもしれません。
「漢字や計算のプリントの宿題の方がいいのに」
「なにを勉強したらいいのかわからない」
「ノート1ページを埋めるのは大変」
「やることをなかなか決められず、すごく時間がかかってしまう」
こんな感想を持っている人も多いようです。
でも、自主学習ノートづくりは、プリントやワークで出された問題を解くだけの宿題では得られない、さまざまな学習効果があるんです。
このページでは、自主学習ノートづくりは何のためにやるのかについて、私の考えを書いてみたいと思います。
自主学習ノートってなんだろう
自主学習ノートは、特殊なノートです。
すべての教科、そして時には教科外のことまで、日付順に書いていくノートです。
漢字のページの隣に、算数の図形の問題のページがあったりします。
次のページには、こん虫を観察して書いた絵と図鑑で調べた説明文が書いてあるかもしれません。
新聞の切り抜きが貼ってあるページの隣に、家族旅行の絵日記がある、なんていう自主学習ノートもあるかもしれません。
自主学習ノートと教科ごとのノートとの違い
教科ごと、習った順に書くのが、予習、復習のためには便利です。
例えば国語の、主語と述語について復習したい時…
「たしか自主学習ノートで、主語と述語について勉強したことがあるな」
と思いだしたとしても、それが何冊目のどのページに勉強したのか、探し出すのは大変ですよね。
習った順に書いてある国語のノートなら、探しやすいですね。
では、自主学習ノートって、なんのために作るものなのでしょうか。
自主学習ノートを作る目的
自主学習ノートを作ることには、大きな目的が2つあると思います。
自分で決めて学習をする
まず一つ目は、先生に指示されたとおりではなく、自分で決めて学習をするということです。
いま自分がやるべきなのは、どの教科の、どんな内容の勉強なのか。
これを考えるのは小学生にとってむずかしいことです。
なので、まずは先生が「たとえばこういう学習をしましょう」と示してくれる例を参考にしてノートを作ってみることから始める方が多いでしょう。
また、友達がどんな自主学習ノートを作っているのかを参考にすることもあると思います。このサイトの自主学習ノート例も、ぜひ参考にしてくださいね。
こうして、見よう見まねで自主学習ノートづくりをつづけていくうちに、高学年や中学生になり目標がはっきりしてくると、目標を達成するために今自分がやるべき勉強は何か、ということを考えて実行することができるようになっていくのです。
がんばりの成果が目に見える
そして、自主学習ノートづくりのもう一つの大きな意義は、ノートを見なおすことで、自分のがんばりの成果を実感できるということです。
毎日コツコツと自分なりに工夫をして勉強をしたという満足感、達成感を味わうことが自主学習ノートの大きな目的だと思います。
がんばりの跡が、1冊に詰まっているということです。パラパラとページをめくって見るだけで、
「こんなにがんばったんだ」
という達成感を味わえます。
いい気分を味わうというのは、ものすごく大切なことです。
達成感を味わい、いい気分になることが、勉強を前向きにがんばろうとする気持ちにつながっていくのだと思います。
さらにこんな効果も期待できる
子供に、「宿題が出るとしたら、算数などのプリント1枚と、自主学習ノート1ページと、どっちがいい?」と聞くと、プリントの方がいい、と答える子が多いと思います。
プリントの方がラクだからです。
考えて、手を動かしてノートに書くというのは、とても頭を働かせることです。
- 何を勉強するべきか考える。
- ノートにどうやって書いたらいいか考える。
これは小学生にとって、本当に頭を使うむずかしいことなのだろうと思います。
でも、これをやることによって、ただ単に算数の問題の解き方を学ぶというだけではなく、多くのことを学べます。
将来的には、
- 目標を持つことができる
- 目標を達成するために何が必要かを考えることができる
- 必要なことをやるための計画を立てることができる
- 計画を実行することができる
このようにして、夢を実現できる人へと近づいていくのが、勉強の大きな目的です。
その第一歩、小学生の今できることのひとつが、自主学習ノートづくりをがんばるということではないかと思います。
これからの自主学習ノート
今は紙のノートにえんぴつで字や図をかいて自主学習ノート作りをしていますが、これからはデジタル化していくのではないかと思っています。
いろいろなアプリ、ソフトウェアを使って、発表のためのまとめや資料を作ったりする、ということが今すでに小学校で行われています。ノートづくりもデジタルになっていくのか、それとも紙のノートに手書きをする勉強方法が、これからも残っていくのでしょうか。
いずれにしろ、自分の考えや情報をまとめる力、人に伝える力は、自分の頭で考えてノート作りをすることでついてくるものです。
「手と頭を使って工夫してものづくりをすること」
方法は変わっても、こんな学習を小学生の方たちには、続けていってほしいなと思っています。