動物の名前が入っている慣用句・ことわざ・故事成語
意味と例文の見方
その他の動物
きつね
きつねの慣用句
狐につままれる きつねにつままれる
意味:わけがわからずきょとんとすること。
例文①:手品師の手際の良さに、客は狐につままれたような顔をしていた。
例文②:幼なじみにこんなところで再開するなんて、まるで狐につままれたようだ。
狐の嫁入り きつねのよめいり
意味:①狐火(きつねび。夜に炎があちこちで燃えているように見える怪現象)②天気がいいのに雨が降る(ふる)こと。
例文①:猟師(りょうし)が山で狐の嫁入りを見たといってふるえながら帰ってきた。
例文②:日が差しているのに雨がぱらついて、今日は狐の嫁入りだろうか。
きつねの故事成語
虎の威を借る狐 とらのいをかるきつね
意味:自分には力がないのに、強い人の力を借りていばる人のこと。
例文①:姉といっしょのときだけ強気になる彼女は、虎の威を借る狐といわれてもしょうがない。
例文②:あの子のような虎の威を借る狐は、一人になるとおとなしいものだ。
いたち
いたちの慣用句
いたちごっこ
意味:何度も同じことのくり返しであること。
例文①:いくら虫歯の治療(ちりょう)をしても歯みがきの習慣をつけないといたちごっこになる。
例文②:直しても直しても新たなミスが発生する、これではまるでいたちごっこだ。
いたち君にも慣用句があるんですね……
ユメオ先生、どうしたの?
「ばく」がつくことわざや慣用句を探しているんですが、なかなか……
たしかに、あんまり聞いたことないなー。
「獏の札(ばくのふだ)」という言葉はあるんです。ばくの絵をかいたふだには、悪夢よけの効果があるといわれているんですよ。
すごいじゃないですか! ばくの札!(それ欲しい)
そうですね。でも、馬君や虎君に関する言葉はたくさんあるのに、ばくはほとんどないなぁと思って、なんだかさびしくなってしまいました。
こういうのあったらいいのにね。「ばくをかぶる」「ばくの手も借りたい」「ひょうたんからばく」「泣きっ面にばく」
ああ、いい響きですねえ……
「ばくごっこ」とか。なんかかわいい!
いろいろ考えてくれてありがとう。元気が出てきましたよ。
うさぎ
うさぎのことわざ
二兎を追う者は一兎をも得ず にとをおうものはいっとをもえず
意味:同時に二つのことを成しとげようとすると、二つとも失敗すること。※似た意味のことわざ:虻蜂取らず(あぶはちとらず)
例文①:野球は続けたいが、二兎を追うものは一兎をも得ずというから、受験生の今年は勉強に専念しよう。
例文②:コロッケとハンバーグをいっぺんに作ろうとしたら、二兎を追うものは一兎をも得ずという言葉のとおり、どっちも失敗した。
かえる
かえるのことわざ
蛙の子は蛙 かえるのこはかえる
意味:平凡(へいぼん)な親の子供は結局平凡に育つということ。
例文①:蛙の子は蛙。子供に親が成しえなかった高い理想を押しつけるのはまちがっているよ。
例文②:蛙の子は蛙と思われるのが悔しくて、人一倍努力をした。
蛙の面に水 かえるのつらにみず
意味:まったく動じないこと。
例文①:そんな脅しは、このわたしには蛙の面に水だ。
例文②:そのピッチャーは野次を飛ばされても、蛙の面に水とばかりに動じなかった。
蛇ににらまれた蛙 へびににらまれたかえる
意味:苦手なものに直面し体がすくんで動けない様子。
例文①:苦手な人にばったり会って、蛇ににらまれた蛙のように身がすくんだ。
例文②:蛇ににらまれた蛙でもあるまいし、そんなに身がまえないでください。
かっぱ
かっぱの慣用句
陸に上がった河童 おかにあがったかっぱ
意味:自分に合わない場所にいて、力を発揮(はっき)できない様子。
例文①:学力ではだれにも負けない彼だが、体育の時間だけは陸に上がった河童のようだ。
例文②:家電の修理屋といってもパソコンの修理は専門外で、陸に上がった河童です。
屁の河童 へのかっぱ
意味:何とも思わないこと。簡単なこと。
例文①:こんなかすり傷、屁の河童さ。
例文②:針金があればドアのカギを開けるぐらい屁の河童ですよ。
かっぱのことわざ
河童の川流れ かっぱのかわながれ
意味:どんな名人でも、時には失敗することがあるということ。(似た意味の言葉=「猿も木から落ちる」「弘法も筆の誤り」)
例文①:君が宿題を忘れるなんて、河童の川流れとはこのことだな。
例文②:河童の川流れという言葉があるように、料理人が砂糖と塩をまちがえることだってある。
かめ
かめのことわざ
亀の甲より年の功 かめのこうよりとしのこう
意味:長い年月で身につけた知恵(ちえ)は尊い(とうとい)ということ。
例文①:手際よく掃除をする祖母にコツを聞くと、亀の甲より年の功だよという答えだった。
例文②:さすがは亀の甲より年の功、会長のお話はじつにためになります。
鶴は千年、亀は万年 つるはせんねん、かめはまんねん
意味:長生きでめでたいこと。
例文①:鶴は千年、亀は万年というように、この会が末永く続くことを願っています。
例文②:鶴は千年、亀は万年という言葉どおりこれからも元気で長生きしてください。
すっぽん
すっぽんのことわざ
月とすっぽん つきとすっぽん
意味:共通点があるが、とてもちがっているもの。
例文①:同じドレスを着ても、わたしとあなたでは月とすっぽんよ。
例文②:自分なりに努力したが、名人の演技と比べるとやはり月とすっぽんだった。
たぬき
たぬきの慣用句
狸寝入り たぬきねいり
意味:ねむっているふりをすること。
例文①:電車の優先席でお年寄りに席をゆずらず狸寝入りを決めこむ若者がいた。
例文②:狸寝入りしてないで、お父さんも何とか言ってくださいよ。
たぬきのことわざ
取らぬ狸の皮算用 とらぬたぬきのかわざんよう
意味:まだ決まってもいないことをあてにして、計画を立てること。
例文①:来年のお年玉で何を買おうか、兄は捕らぬ狸の皮算用をしている。
例文②:あいつは親がまだ元気なうちから、遺産をどうするか取らぬ狸の皮算用をしていた。
てんぐ
てんぐの慣用句
天狗になる てんぐになる
意味:うぬぼれて得意になること。
例文①:一度まぐれで先輩に勝っただけで、やつはすっかり天狗になっている。
例文②:今回は良い結果だったが、天狗にならずに今までどおり練習を続けよう。
ねずみ
ねずみの慣用句
濡れ鼠 ぬれねずみ
意味:服を来たままずぶぬれになること。
例文①:台風の中を父は濡れねずみになって帰宅した。
例文②:おじは酔って沼に落ち、濡れねずみになった。
袋の鼠 ふくろのねずみ
意味:にげ場がないこと。
例文①:このダンジョンは複雑で、逃げ道をまちがえると袋のねずみになってしまう。
例文②:とうとう袋のねずみになり覚悟を決めたその時、奇跡が起こった。
ねずみのことわざ
大山鳴動して鼠一匹 たいざんめいどうしてねずみいっぴき
意味:大さわぎした割(わり)に、たいしたことのない結果に終わること。
例文:大発表があるといって大勢集めておきながら内容はどうでもいいことだけで、大山鳴動して鼠一匹だった。
ぶた
ぶたのことわざ
豚に真珠 ぶたにしんじゅ
意味:価値(かち)がわからない者に、貴重(きちょう)なものを与えるのは無意味だということ。※似た意味のことわざ:猫に小判(ねこにこばん)
例文①:シンデレラがドレスを着るなんて豚に真珠だわ。
例文②:おろか者に先生のありがたいお言葉を聞かせるなんて、豚に真珠というものです。
りゅう
りゅうの故事成語
画竜点睛を欠く がりょうてんせいをかく
意味:全体的には悪くないのに、かんじんな部分が欠けていてぱっとしないこと。
例文①:良い演技だったが、画竜点睛を欠きどことなく物足りなかった。
例文②:この作品を完成させるには、画竜点睛となる一筆が必要だ。
竜頭蛇尾 りゅうとうだび
意味:始めは勢い(いきおい)がいいが、次第に勢いがなくなること。
例文①:せっかく良いスタートを切れたので、竜頭蛇尾にならないようがんばります。
例文②:竜頭蛇尾に終わる選手も多い中、最後までペースをくずさず走り切った。
他にもいろいろ記事があります。ぜひご覧ください。